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の間で調整が図られる必要がある。

 

3−6 縦割り行政の是正

 

行政改革推進上の課題として、縦割り行政の是正が常に挙げられてきた。

縦割り行政自体は、各省庁、各部局の個別責任を明確にしたものであり、公平性、公共性を強く要求される行政運営上、不可欠のものである。問題は、既存の個別責任体制カバーしきれない新たな行政需要が発生した場合等において、関連省庁間で無用な権限争いになったり、それが民間、国民等の受益者にとって不利益や不都合が生じる可能性があることである。

特に、ネットワーク社会の進展によって、社会全体は横の連携が容易になりつつある中で、個別行政間の壁の高さが、実態に合わなくなり、経済・社会活動の障害になるということは避けなければならない。ここでは、縦割り行政の代表的な例として以下のような事項を取り上げ、今後の行政の情報化の推進を図る上での問題提起を行うこととする。

 

(1)EDI(Electoronic Data Interchange)

現在、EDIの推進は個々の民間企業にとって、取引きの合理化という観点から重要課題となっていることは、第2章で既述のとおりである。このEDIについて、「行政情報化推進基本計画」においては、民間企業における活動であり、行政側は間接的な関与という判断からと考えられるが、まったく記述されていない。しかしながら、EDIは国内だけ国際的な環境下で企業の競争力を維持するという戦略的な課題であり、関連施策の調整も求められる事項であることから、以下のような観点から縦割り行政の弊害が生じないよう、政府全体としての施策が必要とされるに至っている。

?@ 国際的な連携

EDIは、1国内における取引きの標準化にとどまらず、むしろ、国際的な取引きの円滑化を目指すものであり、各国も自国企業の競争力を高めるという観点で力を入れているものである。その意味では異なる企業間のデータ交換の標準化が必須であり、国際的な標準化として推進されてきている。国際的な標準化活動において、日本としての要求を主張するとともに、少なくとも、足並みの乱れや、関係機関の調整不足が表面化することは避けるべきである。

 

 

 

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